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後遺障害等級認定を被害者請求する理由

加害者側保険会社からの一括払い処理中でも自賠責保険への
後遺障害等級認定の「被害者請求」はできます。自賠責保険
が平成14年4月1日に改正となり、以下の措置が講じられま
した。
 ①政府再保険の廃止 
 ②死亡事案の追加保険料の廃止
 ③支払基準の法定化
 ④被害者への情報提供
③④は①により保険会社が支払った自賠責保険金が適正であ
ったかどうかの事後チェックが出来ないことに対する被害者
保護措置です。この被害者保護の徹底を図るため、「自動車
損害賠償責任保険の保険金及び自動車損害賠償責任共済金等
の支払の適正化のための措置に関する命令」(平成13年12月21日内閣府・国土交通省令第2号)を発令しました。
これにより④の被害者への情報提供を強化しようとしました。
そして、それを各保険会社・各協同組合・自算会へ徹底を図るため以下の「通達」が発せられています。
「自動車損害賠償保障法及び関係政省令の改正等に伴う事務の実施細目について」(平成14年3月11日国自保第2358号)
国土交通省自動車交通局保障課長から
 ・社団法人日本損害保険協会会長
 ・外国損害保険協会会長
 ・全国自動車共済協同組合連合会会長
 ・全国労働者共済生活協同組合際共済連合会理事長
 ・全国トラック交通共済協同組合連合会会長
 ・全国共済農業協同組合連合会代表理事会長
 ・自動車保険料率算定会理事長
宛ての「通達」です。
この通達の「三 情報提供」の項目に以下の記載があります。
(1)保険金(共済金)等の支払請求があった時
  ①非一括払の場合
     支払基準の概要、保険金(共済金)等の支払の手続の概要及び指定紛争処理機関の概要を記
               載した書面を交付すること。

  ②一括払の場合
     被害者と初期に接触した時点で次の事項を記載した書面を交付すること。
   (ⅰ)一括払制度の概要
   (ⅱ)被害者は自賠責保険(共済)に直接被害者請求できること
   (ⅲ)一括払額は自賠責保険(共済)支払限度額内では自賠責保険(共済)の支払基準による積
                  算額を下回らないこと
   (ⅳ)自賠責保険(共済)支払基準の概要
   (ⅴ)指定紛争処理機関等紛争処理の仕組みの概要
   (ⅵ)自賠責保険(共済)の請求から支払までの手続の概要等あ
では何故、後遺障害等級認定申請は加害者側保険会社が行う自賠責調査事務所への「事前認定」ではなく、自賠責保険への「被害者請求」で行わないといけないのか?
理由は
1.加害者側保険会社は被害者の後遺障害の立証に熱心ではありません。主治医への後遺障害診断書の作成主旨や記載要領などの説明もしません。あくまで事務的に被害者に後遺障害診断書用紙を渡すだけです。
 2.「事前認定」で後遺障害等級が認定となっても「損害賠償額の提示」では後遺障害の慰謝料と逸失利益の額が自賠責保険でいくらか、任意保険でいくらか区別できません。仮に全額が自賠責保険から支払われる額となっていても被害者にはわかりません。
3.後遺障害等級によって損害賠償額(後遺障害の慰謝料と逸失利益<将来の休業損害>)に多額の差が生じます。よって、被害者の症状に適した後遺障害の等級を認定してもらう必要があり、そのためには自賠責調査事務所に適正な認定をしてもらうための主張、立証資料を提出する必要があります。(自賠責調査事務所の審査は書類審査です。外貌醜状は別)
実務で一括払の手続をされている被害者からのご依頼をお受けして後遺障害等級認定の「被害者請求」手続きをさせていただきますが、ほとんどの被害者の方は上記1.2.3.について理解されてはいま
せん。
なので、後遺障害等級認定申請は「事前認定」ではなく、「被害者請求」で行うべきだと考えています。

 

柴田祥弘(シバタヨシヒロ)

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